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1.もっと気軽に良い音で音楽を楽しめるものを
最近はオーディオを楽しむスタイルとして、CDをミニコンポで聴く時代から、CDやダウンロードした音源をPCに蓄積、携帯音楽プレーヤー、スマートフォン、タブレットからヘッドホンで楽しむ時代へと急速に変化してきています。
確かにスマートフォンとヘッドホンの組み合わせでは、簡単に音を持ち歩けるというメリットもあるものの、長時間のヘッドホンの装着の煩わしさから自宅ではスピーカーから音楽を楽しみたいという方も多いと思います。
現在、スマートフォンやタブレット端末と直接接続するスピーカーや、各種のPCオーディオ機器、スマートフォン対応のHi-Fiオーディオ機器などが使われていますが、いずれも音質面や、使い勝手、気軽さという面で、課題があると感じていました。
外ではスマートフォンとヘッドホンで音楽を楽しむ。家に帰ると気軽に良い音をスピーカーから楽しみたい、そんな想いがだんだんと高まっていき、新しい時代の音響機器を、AV機器メーカーの中でBDドライブなどのPC周辺機器を開発している我々から、提案しました。
Stellanovaプロジェクトリーダー 鍵谷
Stellanovaのプロジェクトは、2013年末頃から、デザイン部門と技術部門が一体となってプロジェクトとしてスタートしました。検討の結果、スマートフォン・タブレット・PC内蔵のスピーカーなどは音質面でどうしても制約がある。ちょっと聴くには良いものの、音を楽しむ領域まではカバーできていない。また、本格的なPCオーディオ機器や、従来のHi-Fi機器などでは、マニアックで、ある意味いい音を楽しむための敷居が高すぎて、多くの方々に楽しんでいただけないことがわかりました。そこで、新たに、スマートフォンやタブレットから良い音を気軽に楽しめる、時代にマッチした周辺機器を提案してみようということになりました。
その後の調査や検討を経た結果、今までのハイエンドPCオーディオに負けない音のクオリティーを持ちつつ、スマートフォンやタブレット端末から使いやすく、デザイン性にも優れた製品を、お求めやすい値段で提供することが必要であると考えました。そしてBDドライブや、USBメモリーやHDDのデータもストレスなく使える、ワイヤレス高速通信機能が応用できるのではないかと考えるようになりました。
販売戦略担当 桑田
技術面では、自分達が従来までに蓄積したBDワイヤレス高速通信技術やストリーミング再生技術、BDドライブ関連技術のノウハウを駆使することで実現できるということもわかり、要素開発をスタートしましたが、一方でデザイン面ではさらに試行錯誤が続きました。(デザインの項目を参照)結果、現在の形になりましたが・・・
当初は、あまりの異型に、本当にこれで進めるのか、といった雰囲気でした。しかし、モックアップが出来てきて、各自手に取ってみると、そのデザイン・質感などに「いいな」という印象を持たれた方が多くなったように思います。
その後、実際の設計に入ってみると、そのコンパクトさ、特にこの厚みに内部回路を入れるということで苦労はありました。メカもどうやって組み立てるかから練らねばならず、苦労していました。カラバリは、色の合わせでメーカーから色の付いたサンプル板をいただいては、この色ではない、あの色でもない・・・といった試行錯誤の繰り返しです。最後は皆で納得してGoしてます。
全体として、「作れるかな〜」はよく聞かれましたが、「作れない!」はあまり聞かなかったように記憶しています。皆、なにかチャレンジしたかったんだろうと思います。
プロモーション担当 下田
2.デザインやカラーバリエーションへのこだわり
音楽のリスニングスタイルが多様化する中、パイオニア独自のワイヤレス技術を活かしてStellanovaがどうありたいのか、プロジェクトメンバー内で議論を重ねながら、様々なデザイン案を提案しました。
結果、デスクトップにリズムを生み出す「音」をイメージした、多角形形状のデザインが生まれました。水平垂直な形が多いデジタルデバイスの中で一際目を惹く、オリジナリティーの高いデザインになったと思います。この形状はただ奇をてらったわけではなく、共振しにくい上、音響上理想的な回路配置にも一役かっています。
特徴的な形状なので、Stellanovaアプリのアイコンやロゴのデザインも、この多角形形状をモチーフにまとめていきました。
しかし、この形状を実際に量産するには本当に様々なハードルがありました。
USB DACアンプとワイヤレスユニットで形を変えていますからね。プロジェクトとしてもよくこの案を採用したな、と。設計チームにはいろいろと苦労をかけましたが、満足のいく出来に仕上がったと思います。
デザイン担当 大橋
3.高音質PCオーディオの世界をiPhone/iPadと結ぶ
USBオーディオとワイヤレスへのこだわり
ハイレゾ音源をiPhone/iPadからも再生できる新しいシステムとして、Stellanovaを製品化するにあたり、2つのこだわりを持って開発をスタートしました。1つは、ワイヤレスで音楽データを伝送することです。いくらハイレゾ音源だからといってもケーブルでは、iPhone/iPadの機能性が損なわれてしまいます。ハイレゾだけど、ワイヤレスで簡単につながり簡単に音が楽しめる。そこにこだわりました。もう1つは、USBオーディオ方式を採用することです。USBオーディオ方式は、PCオーディオにおいて、高音質が追究されており、各社それぞれ個性のあるUSB-DACを作り込んでいるカテゴリーで、192kや384kのハイレゾやDSDまで伝送可能な方式です。これら2つを組み合わせた「USBオーディオ方式のハイレゾワイヤレス伝送」の実現からまずはスタートしました。
Air Hi-Res Link Technology 誕生
もともと、私たちの職場はPC周辺機器を開発する部門なのですが、パイオニアの強みで、オーディオ好きのメンバーも多く、また、ホームAV出身者もいた為、すぐに検討に取りかかりました。2013年にワイヤレスのBDドライブを開発した時の「高速USB仮想化技術」と2014年に商品化した「USBスピーカーの高音質技術」を活用すればと考えました。BDをワイヤレスで再生するには転送速度が40Mbps以上必要ですが、ハイレゾは192k/24bitなら10Mbps程度でよく、すぐに実現できるのではないかと。しかし実際は、高いハードルがありました。
1つめのハードルは、USBオーディオで採用されているのはアイソクロナス転送であり、BDドライブはバルク転送であるという違いです。アイソクロナス転送方式は、再送して正しいデータを送ることより、音楽データをストリーミングで再生する為に、一定時間内に一定量のデータを送ることを重要視しているため、データが正しく送れたかのフィードバックがありません。そのため外来電波ノイズの影響を受けやすくなります。これに対しては、オーディオ用のロングメモリーをワイヤレスユニット内に内蔵する事で対応しました。ワイヤレス伝送自体(TCP/IP)はエラーの再送がありますので、USB-DAC側へメモリーを通して安定してデータを供給できれば、正しいデータへリカバリーをすることが可能です。
ワイヤレスユニット回路系設計担当 栗田
ワイヤレスユニットAPS-WF02設計着手
基本的な技術が出来あがったので、製品開発に着手しました。いきなりデザインでびっくりしました。デザインはオリジナリティがあり、気に入ったのですが、筺体6面のうち5面がアルミ筺体というワイヤレス機器には、非常に不利な形状でした。アルミで囲まれては電波が飛びません。かといってデザイン的に外部アンテナはあり得ません。そこでWLANモジュールを底部にミリ単位で配置を検討し、周辺金属ともギリギリまで距離を確保、デザインを損ねない範囲で高さを調整、最終的には内蔵アンテナで製品を実現することができました。
仕様面でもいくつかアイデアを盛り込みました。ワイヤレスユニットは、USBオーディオをワイヤレスにする機能はもちろんですが、各種USB機器がつなげますので、USBホスト端子は4つ搭載しました。USBメモリーやHDDを接続すれば、iPhoneやiPadの限りあるメモリ容量を気にせずハイレゾファイルを扱えます。光ディスクドライブをつなげばCDプレーヤーにもなります。また、PCを起動せずに直接リッピングすることもできます。これらの機能は、PC周辺機器を開発している部門ならではで、携帯端末のみで操作ができるようにこだわりました。iPhone/iPadへの高速充電に対応したり、アプリ起動に同期してUSB DACアンプの電源を自動でON/OFFするようにもしました。機能が多すぎるかもしれませんが、自分にあった使い方で、ハイレゾを楽しんでいただきたいです。
4.単品コンポーネントの作りこみ
Stellanova のUSB DACアンプを設計するにあたり念頭においたこと、それは「単品コンポーネントとして十分に通用すること」でした。
Stellanova としては、ワイヤレス化や独特のデザインと言った特徴があり、ともすると音質は二の次の製品だろうと思う方もいるのではないかと思います。でも、そんなことはありません。音質面ではソースの実力を引き出すのに十分な単品コンポーネント同様のクオリティーを持たせてあります。
アナログ回路でのこだわり
アナログ回路で原信号を劣化させないため、DAC以降のI/V変換後、スピーカーアンプ回路・ヘッドフォンアンプ回路まで完全に差動回路を採用し、ノイズに強い構成としました。音量調整のボリューム(実際にはアッテネータですね)も差動回路のままです。そして、AUX入力は一度A/D変換してデジタルのセレクタを通すことにし、ノイズの進入口となりうる余計なアナログMIXは一切していません。これにより、D/Aからパワー段までストレートに信号を伝送することができたのです。受動部品、特に音質に大きく影響のあるコンデンサには気を遣っています。パイオニアがルビコン社と共に開発した薄膜高分子積層コンデンサー「PML MUコンデンサー」を採用し、クリアで抜けの良い高音質を実現しました。このクラスの製品でこのようなコンデンサを採用するのは異例ではないでしょうか。電解コンデンサも厳しいサイズ制限の中、容量と品種を吟味、最適化しています。アナログ段の電源回路はスイッチングを避けるため敢えて単電源構成とし、その際必要となるリファレンス電源も左右独立構成を採りました。これでチャンネルセパレーションをしっかり確保するとともに、音のくすみを防いでいます。さらに、I/V部には別途高速応答のリファレンス電源回路を設け、音源の持つスピード感を損なわないようにしています。
USB DACアンプ回路系設計担当 中川
デジタル回路でのこだわり
アンプということでアナログの話ばかりしてますが、デジタルブロックもしっかりと気を遣っています。
APS-DA101 には USB、Bluetooth、光デジタル、アナログ(A/D)と多彩な入力、そしてそれに応じて必要なクロックがデジタル信号としてありますが、ノイズを抑制するには一元管理することが望ましいわけです。要は、複数のデジタル信号ラインを基板上あちこち引っ張りまわさないことが必要で、そのためにAPS-DA101専用のICを開発しました。そしてUSBの信号ラインにはコモンモードフィルタを使用し、ノイズを防ぐとともにジッターの抑制に貢献しています。
あと、これは是非言っておきたい、ビットパーフェクト。音源ファイルの持つ情報量を損なうことなく、そのままダイレクトにDACへ伝送しています。
ありがちなのは音量コントロールをデジタル処理で行ってしまい、元々の情報量を失ったデジタルデータを生成してしまうことですが、APS-DA101ではホストでの音量コントロールをUSB Audio信号とは別に、アッテネート情報としてDAC AMPへ送り、それをアナログ段で反映させることで、情報量を損なわず原信号の持つ繊細さをそのまま表現できるのです。
アッテネート情報だけをやりとりしているので、APS-DA101のホイールを回せば、それがホスト上のアプリケーションにもフィードバックして表現されます。原信号をそのまま受け取るそのDACにはPCM1795を採用しました。それにより、DSD5.6MHz、PCM192kHz/32bit まで対応しています。実はこのDAC、384kHz/32bitでも動作する実力があるようで…製品のスペック外ですが、音源があれば試してみるのも面白いです。
ピュアオーディオとしての作りこみ
ここまで色々お話ししましたが、結局はノイズを排除する回路構成、高音質化のための部品選定、といったピュアオーディオの作りこみをしているということが言いたかったのです。このAPS-DA101はStellanovaというコンポーネントシステムでありながらも、単品DAC AMPとして十分なクオリティーを持った製品です。もちろん、Stellanovaのスピーカーはベストマッチングですが、そのために特段な味付けをしているわけではありません。あくまで愚直に音づくりをしているだけです。実は社内評価である部門にお貸しした際、なんとTADの大型スピーカーに接続して視聴してくれたとのことで、さすがにそれはと、ドキマギだったのですが、ハイレゾの良さを引き出して十分鳴らせているとの高評価でした。ああいうスピーカーは中途半端なもので鳴らすと、アラが見えて悲惨なことになりますからね。ホッとしたのと同時に、間違いはなかったと自信を持ちました。
この価格帯にして、スペックのみならずしっかりとした実力を持ったAPS-DA101で是非多くの皆さんに音楽を楽しんでいただきたいです。
筐体設計でのこだわり
今回の筐体設計でのポイントは、限られた日程の中で、いかにして特徴的なデザインを生かしつつ、高質感と性能、特に放熱性や高速ワイヤレス通信に必要な電波性能を確保するかという点に留意して設計を開始しました。
特徴的な異形五角形の筐体は、異形五角形のドーナッツ状の側面部材を上下からしっかりと挟み込む構造で強度を確保しています。
側面部材は、つなぎ目のないアルミ押出一体成形でしっかりと作られ、アルミヘアライン仕上げの天面部品とともに、アルマイト処理を施しています。特に、ステラノバでは、通常のアルマイト色に加え、特別に調色したカラフルなものも多数使っており、安定した色出しを行うのに苦労しました。
もちろん、アルミは放熱性にも優れる素材なので、内部回路の放熱にも貢献しています。
尚、下部ユニットは樹脂成型で作られており、無線モジュールをこの部分に収める事で、電波の送受信性能を確保し、安定した高速通信を実現しています。
USB DACアンプ・ワイヤレスユニットメカ系設計担当 星仲
こまかい所では、表示LED間の距離が短くても綺麗に光り、また光が隣にもれないように、レンズと樹脂カバーの構成に工夫をしたり、ボリュームの感触にもこだわっています。
また、イルミネーション部分の光ムラがないように、光をうまく広く広げる為に、光を伝えるレンズ部品を階段状にして角ばかり明るくならないよう工夫をこらしました。
ステラノバの筐体は、無垢のアルミならではの触った時の質感、感触にもこだわっていますので、ぜひ実際にお手に取って触っていただきたいところです。
USB DACアンプ・ワイヤレスユニットメカ系設計担当 宇田
5.コンパクトでハイレゾも聴き分けられる、Stellanovaスピーカー音響設計のこだわり
USB DACアンプ、ワイヤレスユニットとのデザイン的調和をとりつつ、ハイレゾ音源の良さを十分に引き出せる性能を実現する。
この掲げたテーマを具現化するために、スピーカーの容積・バスレフダクトの口径と長さといった構造的に音質を決定づける要素と、デスクトップでの使用を意識した幅10cmのサイズ感のみを条件として、様々な形状案をデザインチームに提案して頂き、プロジェクトで何度も議論を重ねてきました。
この取り組みには、パイオニアの音を培ってきた東北パイオニアの技術協力も得られ、細部にわたって音質に配慮した工夫が凝らされています。
特に設計上で苦労したのは、パンチングネットの部分です。音質的には無い方が良いともいえる部分ですが、「いかに音の通過特性への影響を排除するか」を念頭に置き、パンチング孔の口径・間隔・開口率やネットとスピーカーユニットの間隔についてシミュレーションと実聴を繰り返して最適な設定を行い、音質性能とデザイン的特徴とを高次元で両立させています。
コンパクトなサイズでありながら、本格的な音場表現力をもった製品になっています。ハイレゾの素晴らしさ・感動を存分に体感していただきたいです。
ハイレゾスピーカー音響設計担当 田中
メカ設計のポイント
Stellanova本体が異形五角形でデザインを主張するのとは対照的に、あえて存在を消すようなデザインコンセプトとなっています。リーズナブルな価格でもハイレゾの音の違いを聞き分けられる、卓上小型スピーカーをお届けしたい、という想いを込め設計をスタートさせました。
直線部が無く、全面をパンチングで覆われたデザインを生かし、内部筺体形状は、反射音による悪影響が入りにくい非対面形状とし、低音の量感を出すために、バスレフ構造を採用することとしました。
バスレフ構造の設計については、内部容積とダクトの径、長さ、フレア形状などの関係をシミュレーションにより最適となるよう調整しました。
高音質を確保する為に、まずは筐体の剛性を確保に留意して4mmという厚肉の樹脂成形としました。さらに構造的な補強リブを筐体内部全域に追加しました。通常肉厚成形や内部にリブなどを多数取入れたりすると、筐体外側に樹脂のヒケによる変形が出てしまい、外観上好ましくないのですが、今回は全体をパンチングメタルで包み込むデザインを逆手に取り、大胆に取り入れる事としました。
こういった内部構造についても音質に対する影響があるため、試作を作成し、特性測定や聴感評価を行い、確認しながら進めていきました。
また、ハイレゾの要件となる40kHzまでの音を再生するべく、フルレンジユニットと高域を担当するツイーターユニットの位相にも注目。スピーカーユニットの前後位置関係や開口部のフレア形状、パンチングネットとツィーターユニットとの距離や、パンチングネットの開口率などを調整し、ハイレゾ化を実現しました。さらに、バスレフポートから遅れて出で来る中高音の漏れを吸音材で調整し、高音質化を詰めてゆきました。
インシュレータは、お客様の好みで、通常のゴムタイプ、真鍮のスパイクタイプの両方を付けられる構造とし、両方を標準付属し選択できる形態としました。
ハイレゾスピーカーメカ設計担当 岡田